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社会保障を知らないから「年金は払い損だ」って言えちゃう [社会保障]

社会保障というのは生活のベースラインだ。どうにかなるだろうという漠然とした安心感や所得再配分による公平感が社会秩序をもたらし、その環境があるから志ある人たちはチャレンジするし、普通の人たちも子育てや仕事を誠実にすることができる。

無能な厄介者に恵んでやるための制度だと言わんばかりに、社会からは軽視されている。生活保護へのバッシングを見れば、国民が社会保障をどう評価しているかうかがい知れるだろう。

しかしだ、この社会保障がなくなったとしたら、それこそならず者国家にまっしぐらじゃないか。隣人のことなど鑑みず、とにかく自分と一族の生存をかけて、何でもしてやろうってことになる。そんな不安感ばかりの社会で、チャレンジなんてできるわけない。それこそ先進国日本の豊かさは失われてしまうだろう。

例えば、「年金保険料は払い損だ」「税金を払ってるのは俺だぞ」といった話はちまたにあふれているけれど、どれも社会保障の無知が言わせていることだ。さらにだ、社会保障を知らないばかりに、すぐそこにある支援を使うことなく窮地に追い込まれ、子殺しのよう悲しい事件も起きている。中年男性、単身、無職に自死が多いのもそうしたことがひとつの理由だ。

こんなことになっている原因として教育がある。

政治や政府が国民一人一人の生活に深く影響を及ぼしている。悪影響ばかりじゃなく、普通の生活が、見えにくく日々の実感はないけれど、社会保障が基盤となって成立していることの具体的な仕組みや決定プロセスなどを教育の中で子どもたちに知らせる取り組みがほとんどないからだ。

社会保障分野で取材するようになってから、多くのことを知った。でもこの仕事をしていなければ、知るチャンスもなく、社会保障の上に自分たちの生活があるってことを気づかぬままでいただろう。

だからこそ、子どもたちには社会保障を深くする機会を持ってもらいたい。その知識は進学、恋愛、就職、結婚、出産といったライフイベントへ歩を進める勇気をもたらすとおもうから。


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