PTA活動は専業主婦がするからダメなのよ [社会で子育てしよう]
★菊池桃子の「PTA活動って難しい」発言にネットの働く母親の不満が噴き出した!
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160418-00000507-san-pol
なにかと話題になってるこの記事ですが、専門教育を受けている菊池氏はもっとマクロな視点から発言しているように思えて、メディアやSNSの反応には、ちょっと焦点がずれてるよと思っていました。
PTAは地域社会福祉活動コミュニティワークのなかで、個人や家族に対する個別支援のコミュニティソーシャルワークを意識した当事者団体です。
そういう定義をすると、記事中にある「月に一度の集まりは、仲良しグループのおしゃべり会になっている。わざわざ有給を取って参加しても、私には分からない内輪の話ばかりで、無駄に感じる」というコメントは失敗例の典型だとわかる。
そして記事中には……
女性が所属する「広報委員会」では、年3回発行する広報誌に載せる情報を交換するという名目で、毎月一度、平日の昼に数時間ほど学校へ呼び出される。しかし、待っているのはお菓子を持ち寄った母親たちの噂話や、PTAとは関係のない話題。「この時間があれば、仕事を進められるのに…」。会社でできなかった仕事を自宅に持ち帰り、深夜にパソコンを開くたび、気が重くなる。
とあるが、PTAと関係のない話題で盛り上がるグダグダ感にこそコミュニティソーシャルワークにつながる重要なポイントです。そこから援助支援へつなげることができるからです。
そして「PTAとは関係ない」といった評価は、このコミュニティワークをまとめる役割を持った人=コーディネーターの不在に原因があると思う。活動の目的を見極めることができていないから、仲良しクラブのグダグダに活動が沈没しているのでしょう。
PTA活動はいいかげんな任意団体ではなく、理論的な背景を持っていることを意識している人は少ないでしょう。公益財団法人日本PTA全国協議会では「綱領」をまとめていあす。そこには次のように書かれているます。
わが国における社会教育及び家庭教育の充実に努めるとともに、家庭、学校、地域の連携を深め、子どもたちの健全育成と福祉の増進を図り、もって社会の発展に寄与する。
そして「基本的な視点・方向」で綱領を補足している。そこには「社会教育団体の一員である」「保護者としての自覚と責任(主体性の確認)」「権利擁護アドボガシー」「社会、自然環境などとの連帯」「子育ての地域社会化」「家庭間、および関係機関との連携融合」の6項目が書かれている。
まさにコミュニティワーク/ソーシャルワークなのです。冒頭で私が勝手に定義したのではなく、機関として専門的に理論構築されています。しかしこれは社会福祉の素人にやりきれる簡単な仕事ではありません。
そこで期待したいのがスクールソーシャルワーカーです。地域格差は大きいものの、各地で社会福祉士を配置する学校が増えています。この専門職を「いじめた対策」というケースワークやグループワークの専業とはせず、PTA活動のコーディネーターとして巻き込めないでしょうか。それができたなら、学校は地域社会福祉のネットワーク拠点として機能できるし、PTA活動は個別支援というコミュニティソーシャルワークの役割を担っていけます。
社会福祉士はそれができる専門職です。そしてPTAが機能しはじめることで、児童虐待、いじめなどから子どもたちを護れるようになるのではないでしょうか。
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